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尾瀬紀行(2)尾瀬 「出発」 ,
上越線・上野発23時20分の夜行で「沼田」に向かった。
群馬県の沼田駅は、尾瀬へ向かう国鉄(今はJR)の基地駅である。
ところで、国鉄分割民営化が政治改革の一環として実施されたのは1987年4月1日(昭和62年)のことであった。
日本国有鉄道(国鉄)をJRとして6つの地域別の旅客鉄道会社に分割し民営化するものであった。
これより以降、新宿や上野の深夜発の夜行列車は大幅に削減されてしまったようである。
無論、山屋に言わせれば新宿発の夜行列車は八ヶ岳や北アルプス方面、上野発は東北方面は勿論、上信越の山々などはおしなべて利用したもんであった。
当時、中部山岳や上信越の山に取り付くに、便利な存在は「夜行列車」だった。
東京の主要駅である新宿や上野駅では各地方へ向かう夜行便は、駅構内広場や使用してないホームにおいて、列車指定された案内板の前に整列させられ、発車時間30分くらい前になってやっと駅員の案内で、該当する列車に並んだ順番に乗車するのが通例であった。
夜行列車は早朝に登山口の駅に到着でき、うまくいけば2000~3000m級の山頂にその日の午後には立てるからだ。
しかし、そういった夜行列車は国鉄民営化や新幹線の普及、それにスピードアップされて、本来の行楽や山岳夜行といったものは廃止になってしまったようだ。
今回小生が利用した上野発23時20分という列車も、御多分にもれず廃止されたようである。
以前は、新宿発・午前零時前後に出る普通列車は、八ヶ岳や南アルプスに入山するにはもってこいの夜行列車であった。
甲府には2:30ぐらいに到着し、一息入れてから北岳方面行の始発バスに乗れる。
叉、八ヶ岳方面へは小淵沢で乗り換えれば清里に5時台に着き、茅野でも始発のバスで赤岳や北八ヶ岳方面に入山できるのである。
他にも、「急行アルプス」という夜行列車などもあったようで、大糸線へ乗り入れており、白馬山方面や後立山連峰、立山アルペンルートに入るには便利な列車だった。
列車は空いており、登山客もほとんどいないようなので、昼間の勤務の疲れでたちまちぐっすりと眠ってしまうのかな・・と思ったが、なかなか寝付かれず、ウトロ・ウトロしているうちに沼田のホームに滑り込んだようである。
翌未明のホームへ降り立った人(登山者)は、数えるほどであった。
事前に調べて確認はしておいたが、真夜中の中途半端な時間なのに尾瀬行きのバスはチャンと待機してくれていた。
お陰で我らは余り待たずにバス中の人となるころができた。
ところで、時間と言うのは一時も惜しむことの出来ない大事で貴重なものである。
特に我々勤め人にとっては・・!、
従って、夜行列車や夜行バスあるいは早朝バスを利用するのは致し方ないことで、若さに任せて、無理を承知で出かけるようになるのである。
そして、車中においては、ガタガタ揺られる列車やバスの中でも睡眠らしい睡眠は殆ど摂らず、所謂、半ば徹夜登山になってしまうのである。
深夜の列車といい、バスといい全員が楽に着席出来るほどの余裕があった。
乗客は車体が揺れ動くのを揺りかごに見たたて、身体を左右に動かしながら、眠りについているようである。
その点、小生は駄目なのである。
これから未知の世界、自然の展開を期待してしまうとあれこれ想像し、何となく胸が高鳴り、興奮してしまうのである。 何時でもそうなのである。
上越沼田駅を出た乗り合いバスは、未だ明けぬ真っ暗な闇夜の「沼田街道」をひた走る。
「吹割の滝」で有名な老神温泉や多数のスキー場のある片品村、戸倉の部落をひた走って、尾瀬の登山口である「大清水」へ着いた頃、東の空が、ヨウヨウに白気始まったようである。
次回、「大清水」
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